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2019.4.24

日本の補聴器市場(マーケット)はどうなっているの?

補聴器が身近な存在かどうか、それは個人のおかれた状況や人間関係、環境によると思います。初めて補聴器に興味を持たれてお店にいらっしゃるお客様には2つの傾向がありまして、一つは「周りのお友達も補聴器を使っている方が多くて、私も使った方がいいかな・・・」というタイプと、もう一つは「周りに補聴器を使っている人がいなくて、私だけ使うのもなんだか抵抗がある・・・」というタイプに分かれます。

補聴器は眼鏡ほど存在が一般的ではないのは、難聴という病気がさまざまな原因によるものであること、また全人口における難聴者人口の割合、そして補聴器という製品上の特徴とその価格などが挙げられます。それに加えて「医療機器」であることから、テレビや雑誌で積極的にコマーシャル活動するものでもないのですね。

今回は日本における補聴器市場の概要についてまとめます。

毎年発表される「補聴器出荷台数」

さて、国内で補聴器はどれくらい売れているのでしょうか?
実は、この数字を正確に知るのは難しいのですね。補聴器は耳掛け型の場合、在庫販売のところもありますので、本当に販売されている台数を把握するには、全国の補聴器取扱店の販売台数をまとめなければなりませんが、そうしたシステムはありません。その代わりに、販売台数を推測するのに一番適したデータが「補聴器出荷台数統計」です。この数字をまとめて発表しているのが、補聴器メーカー各社が加盟する「日本補聴器工業会」です。ここでは、四半期ごとに各メーカーが出荷した台数をまとめて集計しています。四半期ごとのデータでは業界関係者でないとわかりませんが、一般向けには1年ごとに集計して発表しています(日本補聴器工業会ホームページ、現状レポートと統計資料より)。

ちなみに、2018年の総出荷台数は58万5千255台でした。この統計が始まった1990年は30万1千178台、2000年は41万3千736台、2010年は48万861台と10年おきに見ていくと確実に台数は増えています。この数字から、現在の補聴器所有台数を推測する場合、補聴器の耐用年数や買い替えサイクルが一般的に5年と言われていますので、58万台×5年=290万台の補聴器が所有されていることになります。補聴器の所有者は、一人で2台以上持っている方(両側難聴で両耳装用者、もしくは予備として持っている方)がいることを考えると、もう少し少なくなるかもしれません。

他にも「日本補聴器工業会」に所属していない補聴器メーカー(主に通販関係)や、安価で購入しやすい、代替手段としての「集音器」の販売台数も考慮すると、国内で「補聴を目的とした製品」の出荷台数はもっと多いものと推測されます。

しかし、この数字が「すべての難聴者に適切なケアができているか、すなわち補聴器が必要な人に届いているか」と考えると決してそうではありません。国内の難聴者人口はもっと多いと言われているからです。

国内の難聴者人口は?

国内の難聴者人口は諸説ありますが、概ね1,500~2,000万人と言われています。
そのうち、身体障害者手帳を持つ重度・高度の「聴覚障害者・児」の数は約36万人です。全人口が1億2千500万人程度ですから、広い意味では7人に一人が難聴者ということになります。
ちなみに65歳以上の高齢者人口は、平成30年10月時点で3557万8千人ですので、65歳以上の半数が難聴者と言われるのも妥当な数字かもしれません。

この数字と先ほど推測した290万台(補聴器所有台数)を比べると、補聴器の普及率があまり多くないことがわかります。もちろん、すべての難聴者が補聴器を装用するべきというわけではありません。人によっては耳鼻咽喉科での治療や手術で改善しますし、補聴器では補いきれない難聴の場合は「人工内耳」という医療機器もあるからです。

難聴者と補聴器購入者の割合

さてここまで、補聴器の出荷台数や難聴者人口から日本の補聴器市場の現状を見てきました。実はさらに、補聴器の普及状況をもっと踏み込んだ視点で見るための統計資料があります。「Japan Trak」という統計資料で、詳細は日本補聴器工業会のホームページから入手できます。もともと存在するヨーロッパの補聴器市場統計を参考に、日本では2012年から数年に一度の割合で市場調査が行われています。この資料によると、日本の難聴者人口の割合は推定で11.3%(18歳以上は13.2%)でした。このうち、補聴器所有率は14.4%でした。概算すると、補聴器所有者は200万人強ということになります。そのうち、両耳装用していると答えた方は45%でした。欧米での両耳装用率は7割以上とも言われていますので、片耳装用者がまだまだ多いことも、日本の課題としてあげられそうです。

今回は日本の補聴器市場について、出荷台数や難聴者人口、普及率を中心にお話しました。
日本での補聴器普及率が低いことについてはさまざまな要因が考えられますが、私たちヒヤリングストアは補聴器が皆様にとって眼鏡と同じ身近な存在になるよう、情報発信を続けていきたいと考えています。

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