耳の構造と聞こえの仕組み

2017年02月24日

補聴器の機能や必要性を理解していただくには、まず、耳そのものについて知っておく必要があります。耳内部の構造がどうなっているか、また音が聞こえるとはどういうことか。まずは、その仕組みについて理解するところから始めましょう。

耳の構造① 耳の全体構造

耳は大きく分けて、3つの部分から成り立っています

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音は耳介から入ってきて外耳道を通り、鼓膜からツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨という小さい3つの骨を伝わりながら増幅されます。またそこから内耳の蝸牛に伝わって、さらに聴神経から大脳に伝わり、大脳で知覚・認知されます。

耳の構造② 外耳はどんな働きをするのか

耳介と外耳道の役割

耳介と外耳道からなる、耳のいわゆる最も外側にあるのが「外耳」と呼ばれる部位です。
耳介は、顔の横に貝殻のような形で広がる皮膚と軟骨から出来た、音を集めるための器官で、一般的に「耳」と呼ばれる場所になります。また外耳道は、耳介の中心付近から鼓膜まで続く、音の通り道となる器官で、「耳の穴」と言うと分かりやすいかもしれません。

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耳介(じかい)

耳介は、顔の横側から広がるように突き出すような形状をしているため、外から届く音を効率的に集めることが出来ます。生理的意義は少ないが、そうして集めた音を、外耳道へ届けることが耳介の役割です。耳介は、前方に向かって立っていることから、前から届く音をより集めやすい構造となっています。
また、音がどの方向から届くのかといった、方向感を得る役割も同時に果たしています。

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外耳道(がいじどう)

外耳道は、耳介で集めた音をラッパのように共鳴作用である一定の音域の音を増幅させて聞き取りやすくする役割と、その音を、外耳道の突き当りにある鼓膜という薄い膜まで伝える役割を持っています。

耳の構造③ 中耳はどんな働きをするのか

中耳の働きは音の増幅と耳管による気圧の調節

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中耳は、鼓膜とその奥の鼓室にある3つの耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)から構成されています。鼓室の中は空洞で、耳管を通って鼻の奥に繋がっており、そこから空気を出し入れすることで、鼓室内の気圧を調整し、正しく音を伝える手助けをします。

外耳道を通って鼓膜を振動させることで伝わってきた音は、まず最初に鼓室内のツチ骨を振動させます。そこからキヌタ骨、アブミ骨と、テコの原理で増幅させながら伝えていき、最終的には鼓膜に伝わった音を大きくして内耳へと伝えます。テコ比は1.3倍、鼓膜と蝸牛の入り口(卵円窓)との面積比では17倍の比率となっており、これらの比率により音圧が増幅されます。

耳の構造④ 内耳はどんな働きをするのか

内耳の働きは音の振動を電気信号に変換

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内耳は、蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる、その名前の通りカタツムリのような形をした器官と、そこに繋がっている管状の三半規管・前庭から構成されています。

外耳・中耳と伝わってきた振動は、まず蝸牛の中にあるリンパ液を揺らします。この揺れを、音の強弱や高低を分析する有毛細胞がとらえて電気信号へと変換し、蝸牛神経を通って、脳へと音を伝えます。

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有毛細胞(ゆうもうさいぼう)

有毛細胞は音を電気信号に変える役割を果たすセンサーです。

内側に1列、外側に3列、ピアノの鍵盤のように並んでいる有毛細胞は、1本1本が特定の強さ・高さに対応しており、リンパ液の揺れによって対応した音に反応する仕組みとなっています。そのため、一度この細胞が壊れてしまうと、その音は聞こえなくなってしまいます。
また一度壊れた有毛細胞は、再生することがありません。

聞こえの仕組み① 音の伝わり方

音がどのような経路を通って脳に伝達されているのか、その仕組みを説明します。

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一般に「音」とは、物の響きや人や鳥獣の声、物体の振動などが、空気振動を通して伝わってくるものを指します。
その空気の振動は、集音器である耳介を通って、耳穴に入り、奥にある鼓膜を振動させ、耳小骨で増幅されます。 そして蝸牛の中で振動は電気信号に変換され、どんな高さ(周波数)か、またどんな強さかを分析、分類された後、聴神経に運ばれ、脳において知覚・認知されます。
最終的に「音」を感じているのは、「脳」です。普段の生活で、耳には絶えず様々な音が押し寄せてきますが、それでもうるさく感じないのは、その脳が必要な音だけを選り分け、他の不必要な音を無視しているからです。

聞こえの仕組み② 難聴の聞こえ方のいろいろ

一口に難聴と言ってもその症状や程度はさまざまです。

難聴には、伝音性難聴と感音性難聴、そしてこのふたつが同時に起こる混合性難聴の3種類が存在しており、それぞれ聞こえ方が変わります。
外耳や中耳に障害があることで起こる伝音性難聴は、音が小さく聞こえるだけですので、補聴器を装用すれば、問題なく聞こえるようになります。また外科手術や薬物投与などで改善されることもあります。

一方、感音性難聴は内耳や脳の障害によって起こるものです。有毛細胞の破損が主な原因として挙げられます。この場合、壊れた細胞周辺で担当していた音の高さが聞こえにくくなります。細胞の破損に関しては、病院での有効な治療法はまだ確立されていません。また補聴器を使っても、完全に正常な聞こえまでは実現しません。しかし、ある程度効果的な場合も多いため、症状に合わせて補聴器の装用をどうするか考えられると良いでしょう。

難聴の聞こえ方は、難聴の種類や難聴の度合いなどによって、一人ひとりで大きく変わります。より良い聞こえを実現するためには、それぞれの聞こえ方に合わせて、補聴器を選び、調整する必要があると言えるでしょう。

聞こえの仕組み③ 聞こえのチェック

聴力の低下はなかなか自分では気が付きにくいものです。また普段、自分の聞こえの状態について知る機会自体が少ないのではないでしょうか。
そこで、簡単な質問に答えていくだけで、自分の聞こえがどの程度なのかを把握することが出来るチェックシートをご用意しました。ご家族と一緒に、ぜひ一度聞こえのチェックを試してみてください。

チェックシートを使って調べてみましょう

上記からアクセスすると簡単な質問にチェック方式で判定する簡易版「聞こえのチェック方法」がお試しいただけます。
現在の自分の聞こえをしっかりと把握して安心・安全な生活が送れるようにしましょう。