補聴器の「ピーピー」音、ハウリングの原因と対処方法

2018年01月09日

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ハウリングってどんな現象?

マイクとスピーカーを使った集まりなどで、ピーピーとかキーンとか、耳が痛くなるような音を聞いたことがあると思います。これは拡声装置などで発生する特定の音声振動数による発振現象でハウリングといいます。シンギングまたはフィードバックと呼ばれることもあります。

ハウリングという現象は、マイクがスピーカーから出た音を再び拾ってしまい、それがフィードバックされることで、特定の周波数において発振するものです。屋外では音が拡散するので起こりにくいのですが、屋内では音が天井や壁に反射して飛び交うため、ハウリングが起こりやすくなります。

補聴器においてもハウリングが起こることはよく知られています。耳に装用した補聴器がピーピーというハウリングを起こすと、本人だけでなく周囲の人まで聞こえてしまうため、場合によってはかなり迷惑になることがあります。静かな音楽を聴くコンサートや閑静な美術館などでのピーピー音の発生は絶対に避けたいものです。

ピーピー音はなぜ起こる?その原因は

集会などで使うマイクとスピーカーの場合は、先に述べたように、マイクで話した声がスピーカーから流れ、それが再度マイクに入るために起こります。補聴器のピーピー音も原理的には同様です。

適正に調整された補聴器は耳あなと耳栓の間が密着して隙間がありません。そうであれば音が遮断されるためハウリングはまず起こりません。しかし耳栓が小さくてピッタリ装用できなかったり、取り扱い方が未熟で上手に入れられなかったりすると、耳あなと耳栓の間にすき間ができ、そこから音が漏れることでハウリングが起こります。この場合、補聴器の音量が大きければ大きいほどたくさんの音が漏れるため、ハウリングが発生しやすくなります。

ハウリングを起こさないためにできること

マイクとスピーカーを使う際にハウリングを防ぐには、指向性マイクを使って音源の近くに置いたり、スピーカーの向きを調整してマイクが音を拾いにくくしたり、部屋そのものの吸音性を高くする方法があります。

では、補聴器のピーピーというハウリングを起こさないためには、どのような対策を講じたらよいのでしょうか。いくつかできることがあります。

(1)耳栓を耳の形状に合うものに交換する

ハウリングのピーピー音を防ごうとするとき、まずチェックしたいのが耳栓です。耳あなと耳栓のすき間から音が漏れることでハウリングが起こるのですから、形状の合った耳栓に交換し、そのすき間をなくしてしまえばよいのです。オーダーメイドの耳栓なら完璧ですが、たくさんの形状をそろえている補聴器販売店で自分に合った既製品を見つけることもできるはずです。ただし難聴の程度が進んできた場合は音量を上げるため、ピッタリ密着するオーダーメイドの耳栓をおすすめします。

(2)耳栓を正しく装着する

耳あなに耳栓をきちんと装着するのは意外に難しいものです。特に手先の不器用な人や高齢者は取り付けが甘くなりがちです。耳栓は自分の目で見ながら装着できるわけではないので、手探りの作業に慣れも必要です。最初は何回も練習して耳栓を正しく装着できるようになりましょう。

(3)補聴器のスイッチで工夫する

補聴器を出し入れするときにピーピーとハウリングするのは特に異常とはいえません。どのメーカーのどの機種でも出し入れの際はハウリングしてしまいます。もちろん補聴器のスイッチを切ればハウリングは起きません。補聴器を耳に装用するまでスイッチを切っておき、装用したところでスイッチを入れると安心です。外すときも先にスイッチを切ってから補聴器を取り出すようにするとよいでしょう。これにより補聴器の出し入れによるピーピー音を防ぐことができます。

(4)ハウリング抑制機能を活用する

耳栓をピッタリ装着すると「いつも圧迫されて何かが詰まっているような気がしていやだ」という方がいらっしゃいます。そうなるとゆるめの耳栓を使うことになり、その分ハウリングが発生する可能性が高まります。この場合、補聴器に搭載されているハウリング抑制機能を使うと、ハウリングを回避できることがあります。しかし、すべての補聴器がハウリング抑制機能を搭載しているわけではありません。購入時に注意が必要です。

自分では解決できない場合にすべきこと

ハウリングを解消するために、耳栓を耳の形状に合わせて密着させ、すき間がないように正しく装着し、補聴器の脱着時にはスイッチのオン・オフで工夫し、そして補聴器に搭載されているハウリング抑制機能を利用したとします。それでもハウリングが解決できない場合は補聴器販売店の出番です。補聴器のプロフェッショナルが調整することで多くの場合、原因が究明され、適正に調整されます。ハウリングのピーピー音で悩みを抱えてストレスにする必要はありません。お気軽に補聴器販売店に相談することをおすすめします。